エージェント

The Law Offices of

Tsutomu Yasuda

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代理店/販売店起用に� たっての注意点

米国で売りたい製品が� る場合、最もお金のかからない方法として、現地で販売を請け負ってくれる業者を見つけて、委託することが� る。現地のマーケット事情に詳しい個人または企業をみつければ、販売店� るいは代理店として起用することが可能だ。基本線としては、代理店は、製造業者やサプライヤーに代わって、海外市場において顧客の開拓に� たり、稀に在庫管理や実際の販売代行を行うことは� るにせよ、当該商品に対する所有� 、それに纏わるリスク等には関与しない。これに対して、販売店の場合は、一旦当該商品の購入を行うという点では、一般のバイヤーと似通っているが、代理店契約を交わすことにより、デイスカウント等の一定の� 利を取得する一方、最低購入量等の義務を負う。どちらの販売形態を選択するかは、現地企業に対するコントロール及び、リスク管理の２点から考慮しなければならないが、いずれにしても細心の注意が必要で� る。

まず、代理店で� るが、この場合は、基本的に、所有� は、本人で� る日本の会社に残る。また、販売に関する決定、契約の締結などに関する� 限は、代理契約によって決めることができるので、代理店の方がコントロールという点においては、一般的には容易で� る。

たとえば、アメリカに信頼の置けそうな人物A氏がいるとする。A氏は、当該製品に関する米国市場の知識も豊富。コミッションを払ってもらえば、市場を開拓することをＡ氏は提案してくれた。こちらとしては、売ってくれればおおいに助かり、コミッションを払うのは当然だと思う。このような場合、どのような� 限をA氏に付与すればよいのかが先ず問題となる。初期段階では、通常、契約締結までの� 限は与えないが、どのような顧客をいかなる条件で開拓してきたらコミッションを支払うべきか等、詳細を確定しておく必要が� る。

エージェント契約そのものは、コモンローでは、口頭契約が可能で� る。しかし、コミッションが絡んでくると、例えばカリフォルニア州では、書面で、その（１）パーセンテージと計算方法、（２）コミッションの支払われる時期、（３）テリトリー、（４）チャージバックの方法を明示しなければならないとしており、違反した場合、本人に罰則が適用される。したがって、適用される州法を考慮して、エージェント契約を作成することがまず大切で� る。

たとえば、A氏は、予想に反し、大変な怠惰な人物で� ったとする。このまま待っていても一向に売れそうにないので、自前でアメリカのバイヤーを見つけた。その時で� る。普段怠惰なＡ氏だが、この時ばかりは、迅速に連絡が入った。コミッションを払ってくれという請求で� る。こんなことが可能だろうか？契約にはなんと� った？こんなことと思うような問題が起こることがビジネスの世界ではよく� るので� る。

別のシナリオを考えてみよう。A氏との契約が終了し、今度は、本格的に自前で米国で販売ルートをみつけようと、支店または子会社を開設。まずは、これまでの顧客への挨拶を...顧客にとってもその方が満足度は高いで� ろう。しかし、これらの顧客は、もともとは、A氏の努力で開拓してきたもの。Ａ氏は、これを阻止できるのか？この辺りも契約で決めておいた方が得策で� る。いかなる条件でＡ氏の代理を終了させることができるので� ろうか？この場合、米国には、どのような法律が、現地の代理人を保護するようにできているので� ろうか？米国進出の前に、十分調査する必要が� るだろう。

コントロールという点から考えた場合、代理店と販売店の違いは何で� ろうか？日本の会社としては、海外販売戦略を構築するに� たって、海外市場での販売価格を各市場の販売責任者と入念に打ち合わせて、決定したいと思うかもしれない。しかし、販売店の場合、商品に対する所有� は、日本の会社から米国の販売会社へ販売が完了した後は、販売店へ移行するので� り、その後販売店が販売する際の価格について、日本の会社がコントロールすることは米国においては違法で� る。しかしながら、「希望小売価格（Suggested Retail Price）」等を利用して、再販価格をコントロールする手法は存在する。

また、販売� には、独占販売� と非独占販売� が� るが、これはまず経営方針の問題では� る。法的な留意点としては、� るテリトリー内で、非独占販売� を� る販売店に付与した場合、論理上当たり前のことでは� るが、同じテリトリー内で、別の販売店に将来独占販売� を付与することが、できないことに留意すべきで� る。

また、販売� がたとえ非独占的なもので� ったとしても、販売店が販売上の責任を負う以上、開拓した顧客、顧客データ等は販売店に帰属するので� ろうか？非独占販売店が開拓した顧客に関して、例えば、日本の会社が販売店契約を解約して、または契約の終了後、継続して商品を販売店を通り越して、顧客に売ることができるかどうか。これを契約で締結することはできるとしても、当該テリトリーにおいて、それを無効にするような販売店保護の規制が� るかどうかの視点から、調査する必要が� る。

米国におけるデｲｰラー保護の法律として、連邦レベルでは独占禁止に関する諸法、州レベルでは統一商事法（UCC）が基本的なもので� るが、その他ウイスコンシン州のFair Dealership Act等では、ディーラーを解雇するのは、「十分な理由（good cause）」が� る場合に限るとしているので、注意を要する。

以上が、代表的な留意点で� るが、この他にも重要な基本的ポイントが� るので、米国においては特に、相手方との交渉に入る前から、弁護士の意見を得ておくことが重要で� る。

2000年10月31日

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